この事例で学べる3つのポイント
・きっちりとした3C分析を実施した上で、ポジショニングを設定できたこと
・集客の柱を複数作れたことでリスク分散できたこと
・価値を下げずに反応が取れるフロントエンドのオファーをしたこと
・LTVが上がる仕組みが既にある程度確立されていたこと
ご依頼いただいた背景
今回の事例は、開業前からご相談をいただき、その時点では開業するエリアまでは決まっており、ターゲットやポジショニングなどのコンセプトは明確に決まっておらず、集客に関してもこれまで勤務していた整体院では、オーナーがほぼ全ての仕組みを作っていたため、治療技術やカウンセリング、リピートさせることに関しては自信があったが、集客に関して不安があるということから、コンサルティングしてほしいというお話になりました。
まず最初にコンサルティングの中で明確にしていったことは、ターゲット選定と先生の持っている強みの明確化でした。
強みを考えていく上で大事なことは、その地域や市場に受け入れてもらいやすいものであるかどうかです。
その地域においては、40代〜50代が最も多いエリアで、次に70代の方も比較的多いというのが統計データを見てわかっていました。
あとは実際にWeb検索をして、どういった治療院や整形外科・クリニックがあるかなどもある程度調べました。
そこでまず先生からは、「ある程度なんでもできます」ということを言われたので、最初は少し困りましたが、その中でも共通しておっしゃっていたのが「自律神経にアプローチする」ということでした。
そこで、まだ「自律神経専門」というところまでは市場が限定されてしまうと考えたため、比較的市場ニーズがあり、有力な競合もいなく、先生としても実績がある「腰痛」に特化する方向で固めました。理由としては、腰痛専門整体というポジションでウェブ上で打ち出している有力な整体院がなかったことが決定打になりました。
目的
開業してから早期に経営を軌道に乗せるため、開業前から打てる手は打っておこうと思いました。
ですが、どうしてもホームページが出来上がるまでには2,3ヶ月かかることと、今回はIT補助金を使用してホームページを作成したため、補助金スケジュールに合わせて制作進行しなければならず、思うようには行きませんでした。
そのため開業数ヶ月はホームページでの集客は期待できなかったため、別の方法を考えました。
仮説
いくら6万人の地方エリアといっても既にライバルとなる治療院は多く、普通にホームページを作るだけでは、簡単に集客できないですし、リスクをかけないためにも大きな初期投資はせず、なるべくお金をかけずに小さく始めながら、最適かつ効果的な集客方法を確立するということを考えました。
ねらい
ホームページが出来上がるまでの期間(実際公開できたのは開業して4ヶ月でした)で、ある程度効果が予測できる集客媒体の確立をすることが優先課題でした。なおかつなるべくお金をかけない方法でということで非常に限定的でした。
期待している効果
月最低10人くらいの新規集客ができることを目指したこと、また慰安・リラクゼーション目的ではない、治療意欲の高い、悩みが深刻な患者層にアプローチし、数を集めることばかりにフォーカスせず、どちらかというと質の高い患者に来てもらえるように意識をしました。
実施したこと
・開業前のポスティングチラシ配布
・駅前を中心に周辺の店舗に挨拶まわりし紹介カード設置依頼
・地元密着のフリーペーパー
・エキテン登録
・Googleマイビジネスの登録
・新聞折込チラシ
・オファーを施術料金の割引ではなく、初回検査・カウンセリングを無料に
結果
1、ポスティング4500部→ 問合せ10、予約9
2、折り込み10000部 → 問い合わせ7、予約6
3、紹介カード→問合せ3件、予約2
1、9件→6件成約
2、6件→4件成約
成約率 67%
3、2件⇒1件成約
成約率 50%
そのほか、フリーペーパー掲載は単月では反応0。
その後、ポスティングはなかなか心理的にも労力的にもきついため、新聞折込ちらしにシフト。毎月コンスタントに7000〜10000万部配布し、6〜9名ほどは安定して集客できるように。チラシは、最初に弊社でライティングからデザインまで担当させていただいたチラシを継続的に今でも使い続けていて、安定した反応率を維持しています。
チラシに関しては、初期制作にて10万円ほどいただきましたが、それ以降は追加印刷する費用のみ(だいたい1万円前後)で運用できており、高コスパの集客媒体となっています。
ちなみに、現在はチラシを使わなくても、SEO対策を実施しホームページからの集客、Googleマイビジネスからの集客、そしてスポットでPPC広告(リスティング広告)を実施し、Web集客をしています。
考察
今回の事例で改めて感じたことは、自分の適性や得意分野でターゲットやポジショニングを決めること。これができなければ、いくら集客ができるようになっても、成約率がなかなか上がらないということが起きてしまいます。
また、マーケティングにおいて非常に重要なことは、CPA<LTVです。CPAとは、1人顧客獲得するのにいくらかかっているか?の指標で、LTVとは、顧客一人当たりの利益額のことです。多くの広告代理店やWebマーケター、コンサルタントは、CPAにフォーカスし、いかにCPAが低いかを自慢しがちですが、CPAが低くても、リピート率が悪く、バックエンドにも繋がらないのであれば何の意味もありません。CPAが一般的な基準より高くても、それ以上にLTVが高くできること、自分たちが狙っている質の高い顧客層に来てもらえることの方がよっぽど重要です。
そういった点では、ポスティングチラシや折込チラシ、自然検索でHPにアクセスしてくれる顧客層は最もLTVが高い傾向があります。逆に、PPC広告はお世辞にもLTVが高いとはいえません。広告費をある程度かけられれば、それなりに集客数は期待できますが、LTVは低い傾向があります。これは、広告媒体特性ですので、どうしようもない部分はあります。
これから治療院開業される方や現状の治療院経営で伸び悩んでおられる方の参考になれば幸いです。
今回ご利用いただいたサービス
・Webコンサルティング
ホームページを制作したけど、更新・運用・改善ができていないという方へ。私たちが御社のWebコンサルチームとしてサイト運用を完全バックアップします。